奥菜恵の旦那が「藤田 晋」になった瞬間
事の発端は、雨風呂ことアメーバブログが4月1日に行ったというリニューアルだった。雨風呂?
私はアメブロユーザではないので良くわからないが、このリニューアルはユーザにとって改良ではなく「改悪」だったらしい。「リニューアル情報お知らせブログ」はいつしか「バグ修正完了とお詫びブログ」と化していた。
アメブロガーたちは一斉に自身のブログとか2ちゃんねるとかに不満を吐き出しはじめたわけだが、その不満の一部は当然のごとく彼にも向けられた。アメブロの運営会社「株式会社 サイバーエージェント」の社長であり、奥菜恵の旦那である彼だ。彼は自身でも「渋谷ではたらく社長のブログ」という社長日記をブログを持っていて、4月2日には自身が書き下ろした本の宣伝をかねて『「渋谷ではたらく社長の告白」の感想はこちらへ』というエントリーを書いている。
この記事のコメント欄には、「本読みました、面白かったです」というコメントが多数占める中で、「アメブロがシステム改悪で無茶苦茶になってるのに、本の宣伝してる場合か」といった書き込みも見受けられるようになった。
しかし、ここからの彼の対応は、PSP騒動の社長とは違うところだ。彼は「それはブログの仕様です」とはいわなかった。
日曜日である4月3日には『「アメブロリニューアル後のご意見・苦情・ご要望」はこちらへ』というエントリーを投下。社長自ら、アメブロ利用者の不満の意見を吸い上げることを試みる。
ついにリニューアルしたアメブロですが、まだたくさんの不具合やバグがあるようです。 <中略> すぐに対応できるものと時間のかかるものがありますが、 課題は全て修正していくつもりです。 アメブロに関するご意見、苦情、ご要望をこちらへコメント、トラックバックをください。 今後の修正、バージョンアップの参考にさせていただきます。
実に正直なエントリーだ、特に「すぐに対応できるものと時間のかかるものがありますが」という件あたりが。4月6日現在、この記事に対するトラックバックは99件、コメントは160件を超えている。そのほとんどが、かなり辛らつな苦言だ。私はアメブロ利用者でないのであまりエラソーなこといえないが、コメント欄での不満を読んでいると、どうも「ちゃんとリニューアルテストをせずに、ぶっつけ本番で作業した」「ブログを書く側の気持ちがよくわかっていない人がリニューアルした」ってのが根本の問題のようだ。
奥菜恵の旦那は、そのコメントをひととおり読んだのだろう、4月4日深夜には「猛反省」とういエントリーを投下。
アメブロユーザーの皆様、リニューアル後のご意見・ご要望にたくさんのコメント、トラックバックをありがとうございました。 日曜の夜、月曜の朝と最高にブルーになりましたが、とても貴重な意見を頂きました。 おかげさまで対応すべき点が明確になりました。 ユーザーからの協力を得て、こういうことが出来るのも インターネットならではだと思います。 今回のリニューアルの不備に関しては、猛反省しています。 当社はもっともっとユーザーに対するサービスの質を高める 必要があると思います。 現在は不具合やバグのつぶしに全力を尽くしているところです。
面白いのがここのコメント欄だ。先の「ご意見・苦情・ご要望はこちらへ」エントリーとはうってかわって、「やっちゃったもんはしょうがない」「頑張って」「応援してます」「期待しています」という、励ましのコメントが占めることになる。
そう、もちろん失敗などない方がユーザにはありがたいが、現実問題として失敗作品はどんな会社にだってある。問題はその失敗にどう対応し、ユーザに説明するかだ。切込隊長はPSPリコール問題の時、PSPをソニーはリコールするべきというエントリーでこう指摘している。
最初から欠陥をゼロにしろといっているわけではない。挑戦的な商品の初期ロットに不具合があることなど、消費者は誰でも知っている。問題は、欠陥ではなく対応なのだ。それも、トップが顧客に向けて何を語るか。
「社長日記」という今が旬のメディアを使い、なおかつ理想的なトラブル対処をしてみせた奥菜恵の旦那に私は少し興味を持ち、彼の著書「渋谷ではたらく社長の告白」を買った。
彼の簡単な生い立ちから、起業するまで、挫折感などが、ホントに飾らない言葉で書いてある。約300ページほどあり、それほど薄っぺらい本ではないのだが、読み出したら止まらなくなり一気に読んでしまった。ベンチャー営業マン時代の胡散臭い「はったり営業」、自身の野望のための「裏切り行為」、史上最年少での上場、ネットバブル崩壊前後の苦悩。
たった一つの自分のプライド--会社経営--それに自身を失くしていました。 世界中で、誰ひとりとして味方はいない。 孤独でした。
本は、女優「奥菜恵」とのエピソードの後、決算報告の1日を写真で追って終わる。
そしてこの本を読み終わり、本を閉じた時、それは私の中で奥菜恵の旦那が「藤田 晋」として認識された瞬間だった。
