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ブログ悲観論に思う、このブログはじまって以来のまじめ記事

なんか最近、ブログの未来は暗い、ブログブームは終わった、期待したような有意義なブログサイトはあまり出てこなかった、的なエントリーを目にする機会が多い。

この1週間は、仕事がモーレツに忙しかった+例のJR列車事故をマジでウォッチしてたので、ネット界のこの1週間の動きにはついていけてなくてよくわからないのだが、議論の引き金はは梅田氏のBlog論2005年バージョン(2)なのだろうか。「裏切られた期待」という小見出しの文章を書いている。

そういう意味で、CNET Japanで「英語で読むITトレンド」を連載していたときのHidden Agendaは、僕の連載がきっかけの一つになって、日本のIT産業界の超一流の個人が肉声や本音や仮説をどんどんBlogを通して語ってくれるようにはならないものか、という期待であった。
確かに堀江さんや藤田さんをはじめとして、日本のネット系ベンチャーの社長がBlogを開設するようにはなったが、ライフスタイルの開示やベンチャー起業・精神論みたいな「面白さの追及」に終始して、中身のある話は少ない。大組織に属する超一流の技術者や経営者が本気でBlogを書くということも、どうも日本では起こりそうもない。磯崎さんのBlogのような質の高いものが、ありとあらゆる分野で、これでもかこれでもかと溢れるようになればいいのだが、そういう方向を目指すBlogは相変わらずほんのわずか。日本のBlogは、そちらに向かっては進化していないように思える。残念ながら今のところ、僕の期待は裏切られたのだな、というのが正直な感想なのである。

確かに日本では、Blog=個人の日記というイメージが定着している。トラックバックやコメント欄を利用して、ある政治問題についてブロガーや閲覧者を巻き込んで議論するとか、たとえばCSSなら、CSSの高度なTipsとか、CSSのあるべき姿について熱く語り合いトラックバックしあうような、議論を突っ込んで行うBlogとか、あるいは一般企業の社長クラスがブログを書くとかいうことが少ないように思う。日本人がもともと「議論」を好まない、あまりべらべらと喋りたがらない人種だということもあるのだろうか。

いや、私も別に海外のブログ事情に精通してるわけでもないが、なんか日本のブログのコメントやトラックバック欄は、ものすごく「お互い気を使ってる」感じがしてしまう。「トラックバックどうもありがとう、お返しにトラックバックしておきました」みたいな、あるいは「コメントありがとう、そうだよねぇ、そんな感じだよねぇ」的な、薬にも毒にもにもならないあいさつだらけ。どうみても、お互いリアルで知り合い同士がブログでコメントしあってるだけとか。ものすごく狭い世界だけで構築されているブログが多いような気がする。

もっとも、それを悪いと決め付けるつもりはないのだが。梅田氏は「落胆した」と書いているが、そのツールをどう利用しようが利用者の勝手なので。全世界に発信できるインターネットだからといって、全世界の皆様に向けて記事を書く必要はまったくないわけで。自分の知り合いだけに見てもらえる内容のブログとか、自分の備忘録的な内容のブログでも、本人が満足してるなら別にいいと思うし。「本格的なブログ」の書き手がいないのは、はっきり意見を言いづらい日本人+日本の環境から考えると当然なことでもあるので、嘆いたところでしょうがない。いないものはいないんだし。

ただ、頭いい悪い、ある専門性について精通している・していない、ギャグが面白い・面白くないにかかわらず、とにかく「発言していく」こと、書いていくことは大事なんだろうと思う。本格的なブロガーが出てこないなら、私のようなへたれブロガーがヘタレ記事書いて、専門家のつっこみを待つのみだ。

CNET Japanで連載していたとき、Googleの株式公開のあり方の是非を巡ってBlog上で磯崎さんと議論になったことがあった。それで、磯崎さんからいただいたトラックバックに対して僕が「素晴らしい内容のトラックバックを・・・」というようなことを書いたとき、「磯崎さんが書いていることは専門家にとっては当たり前のことで、そんなこと素晴らしいなんていうのはお前がバカだからじゃねーか」みたいな意味のコメントを貰ったことがある

専門家(=磯崎さん)とか精通している人ににとって「当たり前」のことでも、多数の一般の人は知らないことはあるわけだし、こんな記事、もしかしたら書いてもつまんないかなぁなんて思っても、書ける題材があるなら書くべきだと思う。

そういえばJRの事故に関して、私の記事へトラックバックしたものの中に「原因はいろいろ言われていますが、数日後には事故調査委員会から報告が出ると思われますので、風評に惑わされず冷静に行動されて下さい。」ってブログがあったな。どういう意味だ?私に風評記事を書くなといっているのか?この風評の風上がテレビに限定されているのか、ブログや2ちゃんねるも含んでるのかよくわからんが、私に推測でものを書くなといってるなら筋違いもはなはだしい。こんな大事故を前にして、いろいろ推測記事をブロガーが書かないで、じゃあトラックバックとかコメント欄とかソーシャルブックマークとかは、いったい何のためにあるというのだ。

私が事故直後翌日に書いたエントリーの内容が、正しいかどうかははっきりいって書いた時から自信はない、俗に言う風評かもしれん。私は鉄道関係者でも、鉄ヲタでもない、ただのJR宝塚線利用者だ。しかし、少しでもその件に関して知っている、あるいは知ったかぶっている記事が表に出てくることによって、逆にそりゃウソだよ、正しくはこうだよって情報が出てくる可能性も大きくなるわけだ。無知は犯罪~尼崎事故を見て思ったこととか、すげー勉強になった。

黙って毒にも薬にもならない記事書いたって、事故は忘れ去られるだけだ。ましてポエム書いてひとり感傷に浸るなんて論外だ。書くことだ。書くことによって、物事は前に進む。間違いとか、違う意見があるなら、コメントやトラックバックで指摘しあえばいい、それが「ブログ」であるはずだ。



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