靖国問題を30歳の視点から考察してみる
「40代以上が誤解している、30代以下の価値観」って記事をちょっと前に書いた。意外にこの記事はアクセス数が多く、いくつかのリンク集サイトなどにも取り上げられて、公開(10/1)から現在(10/21朝)までで約1400のアクセス数(ヒット)を獲得している。特に30代以下の人間から40代以上への不信感というのは、私の予想以上に大きいのかもしれない。
と、思ったそばからこんな記事が出てきた。
朝日新聞社員2人が激論の末、むなぐらをつかみ殴りかかるなどの大ゲンカに発展。暴行を受けて負傷した社員が、社内から110番通報し、警視庁築地署の署員が駆けつける騒ぎとなっていたことが21日、発覚した。不祥事続きの朝日は夕刊フジの取材に事実関係を一部認めたものの、「被害が軽微」と詳細には口をつぐんでいる。社員の一人は全治10日間のけがを負っており、立派な傷害事件なのだが…。
築地署の調べによると、今月18日午前10時50分ごろ、「暴行された」と東京・築地にある朝日新聞東京本社から110番通報があった。
-中略-
40代社員は激怒し、30代社員に体当たりや胸ぐらをつかむなどして暴行を加えた。さらに、30代社員が携帯電話で110番通報しようとしたところ、40代社員が携帯を奪い取り、真っ二つに破壊したという。一連の暴行で30代社員は腰に10日間のけがを負った。
「夕刊フジ」に突っ込まれるという時点で、朝日もたいへんなんだなぁと同情すらしてしまう事件だ。朝日としては穏便に済ませたいために被害届を出さず社内で示談解決したいようだが、傷害事件なので被害届の有無にかかわらず捜査は行われる。被害社員の怪我の程度によっては、加害者の40代社員を逮捕・書類送検ということも有り得るだろうか。
40代と30代、どっちが首相の靖国参拝にYesかNoかは不明だが、常識的に考えれば40代が「靖国参拝断固反対」、30代が「どっちでもいいんじゃね?」もしくは「参拝すべき」の意見で、30代社員はアンケート結果を踏まえて中立的な内容の記事を主張したのに対し、40代はその考え方がまったく理解できなかったと思われる。ちなみに朝日新聞自身のアンケート調査でも、「よかった」が42%、「するべきではなかった」が41%でほぼ同数だった。
特に若い世代、ネット世代は「靖国参拝、いいんじゃね?」って空気が主流になっている。上の世代になればなるほど、「靖国参拝して相手を怒らせてビジネスチャンスを失ったりしたら、もったいないじゃないか」っていう意識が強いが、若い世代になるほど「宗教の自由を放棄したり内政干渉を認めてまで金儲けする必要があるの?」って意識になる。
この辺の考え方も、「あくせく働いて会社や社会に貢献し、日本の利益を上げていく」ことを重視する上の世代と、「自分がおもしろいと思うことをテキトーにやればいい、仕事でなくても、趣味でもボランティアでもいい」と考えている世代との違いだと考えられるかもしれない。
しかし、そうしてみると、若い世代の靖国問題の考え方の根本的な本質は、「中国や韓国との外交問題」だとか、「A級戦犯分祀」でないのかもしれない。問題の本質は、30代以下による40代以上の考え方への不信、もっと限定的にいえば「マスコミ」「朝日新聞」への不信なのかなぁと、思った。
コメント
靖国問題や日中、日韓の外交についての認識は、世代間問題だという話、たしかにそんな感じしますね。
私の周囲の空気もそんな感じです。
ちなみに私は、30代の癖に、若い世代の右傾化を嘆いている者です。
もしかして考え方が古いのかもしれませんが。
なんつーか、客観的に日本を見るという視点がなさすぎのような気がして。
首相が靖国参拝して相手を怒らせて外交問題をこじらせてるのも国益に反してるんじゃないかと思ってます。
でも「自分がおもしろいと思うことをテキトーにやればいい。」という奴が増えるのは、時代的に無理ない気もします。それが難しいところですが。
ちなみに、歴史観の問題が世代間ギャップの問題だという話については、小熊英二が「“癒し”のナショナリズム」という見方を出しています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476640999X/qid%3D1129984042/250-9846725-3332235
簡単に言うと、世の中不安、でも学校の先生が言うような綺麗事は信用できないという感性が、保守愛国に吸収されてったという分析で、結構面白かったです。
投稿者: soy bean 2005年10月22日 21:36
soy bean様
コメントありがとうございます。
>ちなみに私は、30代の癖に、若い世代の右傾化を嘆いている者です
最近は「価値観が多様化してきた」といわれて久しいわけですが、それがハッキリとはじまったのは今の30代半ばくらいからの「バブル後入社組」世代からだと思います。
バブル前入社、もしくはバブル後でも希望の会社や大企業にうまく入社できた人間は、なんだかんだいって上の世代の考え方を踏襲しがちでしょう。
対して、バブル後入社、それも希望通りうまくいかなかった30代前半以下は、社会に対して不信感をもち、上の世代や「会社で働くこと」に対して懐疑的になりがちになっているように思います。
投稿者: y-iweb 2005年10月25日 20:08