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楽天やライブドアはWeb2.0を目指してはいないのか

進化を続けているのは、なにもWEB産業だけではない。TVも、携帯電話も、ゲームも、カラオケも、映画も、それぞれの産業がそれぞれ発展している。1.0から2.0にバージョンアップを計ろうとしているのは、何もWebだけの話ではない。

で、お金の量は限られているのだから、同業他社との競争もさることながら、他に比べてバージョンアップのスピードが著しく遅い産業は、当然、他の産業にパイを奪われて衰退していくことになる。先に名前を挙げたものでいうと、カラオケなんかはそうだろう。90年代に「カラオケボックス」があちこちに出来て以降、大きなバージョンアップができずに携帯電話やゲームにパイを奪われていっているように思われる。

ゲームも、「ファミコン」「初代プレステ」に比べれば少し衰退しているように感じる。ゲームの場合、それは途中からバージョンアップの方向が間違っていたからだろうと私は推測する。確かに新しいゲームになるほどグラフィックは圧倒的に美しくバージョンアップしているが、それがゲームしたときの「楽しさ」につながっていない。もう、グラフィックの向上というバージョンアップの方向では、多くの消費者を揺さぶるものではないのだろうと思う。

ただしゲームはカラオケと違って、明るい兆しも見える。最近だとニンテンドー「おいでよ どうぶつの森」がヒットしているようだが、このゲームの内容はゲームキューブで2001年に発売されたものとほとんど同じである。バージョンアップしたのは、「携帯ゲーム機で持ち歩ける+通信機能で離れたところの人間と遊べる」という点だけなのである。と、ぐぐったら既にひろゆきが言及していたので詳しくは「【西村博之】「おいでよ どうぶつの森」に見る次世代ゲームのありかた」をどうぞ。要するに、グラフィック向上の方向ではなく、携帯性+ネット接続というバージョンアップの方向なら、ゲームはまだのびる可能性があるという希望が見えてきたわけだ。

さて、ここから本題である。

現在の地上波テレビが「TV1.0」で、デジタル放送+携帯電話向けワンセグ放送が「TV2.0」とした時、ほりえもんやミキティがテレビ局を買収あるいは提携しようとしているのは、「TV1.0」だろうか。私は違うと思う。彼らが期待しているのは「TV2.0」とのシナジーにより、Webは1.0から2.0にバージョンアップできると考えているのだと思う。ただし、ここでいう「Web2.0」は、オライリー氏のいうそれや「GoogleはWeb2.0だ」という意味でのバージョンアップではなく、別の方向への「Web2.0」であると思う。

TVも、現時点だけを見ると、やや衰退しつつある業界である。各番組とも視聴率は伸び悩み、その視聴時間の一部をケータイやWebに取られている。ネット業界にいるほりえもんがその事を知らないはずがない。そもそも、ほりえもんはプログラマー出身らしいし、Webに愛着もあるはずだ。そんな、Webに比べて一見衰退しつつあるTVと提携しよう、うまくいけば買収しようとまで考えるのは、それだけWeb単独での1.0から2.0へのバージョンアップ方法が見えない、あるいはそのスピードが遅いからだと思う。それに対してTVは、2006年4月からのケータイ向けワンセグ放送の開始で、本格的にバージョン2.0へ移行を開始する。TVの逆襲。

お金の量は限られているのだから、同業他社との競争もさることながら、他に比べてバージョンアップのスピードが著しく遅い産業は、当然、他の産業にパイを奪われて衰退していくことになる。Webは、2000年代のカラオケのように、前時代からバージョンアップできず、このまま停滞衰退してしまうのではないか、そういう危機意識がミキティにもほりえもんにもあるんだと思う。

もちろん、オライリー氏やネット界隈で叫ばれる「Web2.0」のように、Webに対して明るい見方もできよう。だが、私はどっちかというと悲観的だ。スピードが遅いのだ。TV2.0、あるいはケータイが通信のためだけでなく金融機能も持ち合わせる「ケータイ2.0」へと進化していくスピードに比べて、(ネット界隈で使われる意味での)Web2.0への進化のスピードは遅いように思う。しかも、「TV2.0」「ケータイ2.0」に比べて、Web2.0は結局どこで儲かるのかもよくわからない。結局儲かるのは、Googleとアマゾンだけかっていう話もあるし。

楽天については追いかけていないので正直よくわからんが、少なくともライブドアは、オライリー氏あるいはネット界隈で使われている意味での「Web2.0」とは、多少違う方向でバージョンアップを図っているのは確かである。それは、Googleが買収した会社とライブドアが買収した会社を比べれば、わかるかもしれない。ライブドアが株式を取得したり提携しているのは、何もニッポン放送(フジテレビ)だけじゃない。

個人的には、ネット界隈でいう「Web2.0」より、ほりえもんが目指しているWeb2.0の方が、現実的だと思うし、好き嫌いでいうと「好き」です、という告白記事でした。