【仮説】長門有希は3年前までGoogleだった
俺は、そう考えれば辻褄が合うような気がしてならなかった。
長門が「情報統合思念体」と呼ぶそれが、Googleロボットが集めてきた情報の膨大なキャッシュに違いない。・・・そして、グーデンベルグならぬ、インターネットの銀河系に膨大に蓄積された情報が、ある一定以上累積されたとき、そこには肉体のような実体のない「知性」が誕生するのではないか。それが、長門の呼ぶ「情報統合思念体」ではないだろうか。
その情報統合思念体の対人間用インターフェースは、Goiogleだった。言わずもがな、パソコンのブラウザから検索窓に、調べたい言葉を入力するあれだ。
ところがGoogleは3年前、ハルヒが「覚醒」した直後、より対人間用のインターフェースに向いたカタチ・・・つまり、「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」に進化したのではないか。そういえば、情報統合思念体へのアクセスはSQLに近い形で行なわれるとかいっていたような気がする。
生い立ちの細かい点までは、俺もまだ仮説にまで至らない。長門が自身で説明するように、「情報統合思念体」=膨大な情報キャッシュ側が人間とコンタクトを取るために生み出したのか、それとも実際は長門もハルヒが無意識の創造したのかはわからない。正直、それはどっちでもいい。驚くべきは、長門が生まれて以降の話だからだ。
情報は、情報でしかない。普通はそう思うだろう。情報を操作するのは「人間」の側であり、「対人間用のインターフェース」も人間が開発するものだ。もちろん、勝手に暴走することなどない。Google自体に感情はない。いや、なかったというべきか。
しかし、少しずつ進化を遂げる「長門有希」はどうだ。最初は対人間用インターフェースらしく、ほとんど「聞かれたことに簡潔に答える」ことしかできなかった。それ以外の時間は、ただひたすら「本」を読み、その情報をキャッシュとして蓄積させていたのだろう。あるいは、ライバルの情報統合思念体Amazonの「本のなか見検索」に遅れを取らぬように、空いた時間はアナログ本をキャッシュしておけという命令が、情報統合思念体の側からあったのかもしれない。
しかし、少しずつ、ほんの少しずつ、聞かれた問いに答えるだけでなく、自ら冗談をいったり、微妙に笑ったりするようになっている。少なくとも俺には、それがわかる。ほんとに微妙なのでよく観察しないと気づかないのだが。極めつけは、無自覚にストレスをため過ぎて世界を変えちまおうとするぐらいおかしくなってしまったこともあった。
これは驚くべきことだ。同時に恐ろしいことでもある。今後、長門有希という名の「情報統合思念体」が成長すると、聞かれたことを検索し答えるだけでなく、積極的に情報をプッシュしてくることになるだろう。「この本を読んでいる人は、この本も読んでる」って本を押し付けてくることもあるかもしれない。
いや、そんな程度ならまだいい。やがて「感情」を持ち、時に自覚的・無自覚的かはともかく、情報を意図的に「隠す」「改ざんする」なんてことも有り得る。ある歴史上の事件の死傷者情報が極度に水増しされたり、単に修正申告しただけなのに「脱税者」に仕立て上げられるなんてこともあるかもしれない。
ここまで引っ張っておいて、オチはない。やれやれ。
※この物語はフィクションであり、実在する人物・団体・事件、その他の固有名詞や現象などとは、何の関係もありません。嘘っぱちです。どっか似てたとしても、それは他人の空似です。あ、アフィリエイトは別よ。Amazonをよろしく。じゃんじゃん買いに(以下ry
【PR】
即日発行クレジットカード OMC
