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DEATH NOTE -デスノート- 映画版後編を見た

DEATH NOTE -デスノート-実写映画版後編を見てきた。

初日ということもあって、最終回レイトショーながら満員。人気作品でもレイトショーはいつもすいているイメージがあったので、正直びっくり。数時間前にネットで予約していたので、いい席で見れましたが。観に行く予定の人は、しばらくは混んでるのを覚悟した方がいいかも。

で、肝心の内容ですが、原作が大好きな人もまあまあ満足できる出来なんじゃないでしょうか。原作と違う結末とはいえ、それは映画の時間枠の中にストーリーを入れ込むために「ライトvsL」の対決に的を絞った結果で、ストーリーの大枠やトリックは十分原作をリスペクトしたものだったと思います。

以下、多少ネタバレ注意。


エンターテイメント作品として、十分楽しめた作品でしたが、原作を読んだ人間としては「やはりここが映画の限界かな」というプチ不満もあります。ただ、それはしょうがないでしょう。限られた時間枠の中になんでもかんでも詰め込むとかえって散漫になるわけでして。制作者側の割り切りも理解できます。

というわけで、映画版では完全に「ライトとLの対決」、そして「正義とは、あるいは法とは何か」というテーマに絞っています。そしてそれは、一定以上成功していたのではないでしょうか。

では、原作漫画にあって映画版では大幅に端折られている裏テーマは何かというと、「所属グループ分けの妙」です。

王道ジャンプ漫画、たとえばキン肉マンとかドラゴンボールは、基本的に登場人物の所属グループが単純です。「正義超人か悪魔超人か」しかないわけです。もちろんストーリー上、悪魔超人側だったピッコロやベジータが正義超人に鞍替えすることはあっても、基本的にこの対立軸に代わりはありません。

しかし漫画「DEATH NOTE」は、もう少し所属グループが複雑です。一応「キラグループ」(ライト、ミサミサ、リューク)、「FBIグループ」(L、ワタリ、レイ・ペンバー、南空ナオミ)、「日本の警察」(夜神総一郎、松田、模木、伊出)などに分類できますが、原作ではあえてこの所属グループによる「対決」という構図を破壊しています。

つまり、Lが日本の警察と手を組んだ上に、自らライトの前に「Lです」と名乗りを上げるストーリー展開というのは、そういうことです。グループ同士の対決という構図をあえて破壊し、ライトをL+日本警察の捜査本部に取り込み、(心の奥底はともかく)表面上だけでも「同一グループ」に帰属させています。これによって、よくある「正義超人vs悪魔超人」という対決構図では有り得なくなったことが、「DEATH NOTE」のもっとも大きな魅力だと思います。

一方、このLの奇襲にライトはどうしたかというと、ご存じの通り、「捨てる」です。「DEATH NOTE」の所有権を(一時的に)自ら放棄し、「キラグループ」から自ら離脱します。あとでもう一度復帰しますが。

細かいストーリーは省きますが、漫画の後半でライトがライトであり得たのは、「キラグループ」でありながら、「夜神家の長男」であり、それを利用して「キラ対策本部」の一員でもあったから。ところがそのライトは最後はどうなったかというと、父・夜神総一郎は既に死に、高田清美も死に、魅上には「お前なんて神ではない」などとののしられ、捜査本部の中ではライトを最後まで信頼していた松田に撃たれます。そしてとどめはリュークに・・・

つまり、すべての所属グループを失い、孤独に死んでいくわけです。ここが原作と映画版との決定的な違いです。映画版では、父とミサミサに見守られて死んでいきます。圧倒的な悲壮感、孤独感といったものはありません。

「正義とは何か、法とは何か」という表テーマだけでももちろん考えさせられる面はありますが、(映画版には端折られている)その正義や法、あるいはデスノートは「誰のために、どの所属グループのために使われるべきものなのか」というテーマもより面白いと思います。

漫画版での最終回、伊出のセリフがそれを集約しています。

「いや 俺個人はおまえが歪んでいるとは思ってないし ニアが正義だとはっきり言えもしない。
俺が『これでよかった』と言い切っていいるのは… あそこでニアが負けていたら・・・

俺達は今生きていない そういう事だ」


完全に余談ですが、こういった「所属グループの単純な対決ではない」おもしろさがあるマンガは、他に『HUNTER×HUNTER』なんかがそうでしょうか。



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