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「ウェブ人間論」読了

「ウェブ人間論」をようやく読了。買ったはいいが、正直、おもしろみが少なくてなかなか読み進めなかった。正月休みでようやく読み終えた。

「ウェブ進化論」の梅田望夫氏と、芥川賞受賞者の平野啓一郎氏による対談集なのだが、とにかく私には読み難くてしょうがなかった。対談集というのは、普通、どちらかで互いの立ち位置をはっきりさせて、わかりやすくハナシが進んでいくものなのだが、この対談集はとにかくその「互いの立ち位置」がわかりにくい。なんでこの2人の対談なんだろうという興味でこの本を買ったわけだが、最後までよくわからないまま終わってしまった。

もっとも、全部読んだ後、こうしてブログに総括しようとしてみると、なんとなくその理由もわかってきたが。1960年生まれの人と1975年生まれの人との対談討論といえば、普通は75年生まれの方がネット生活に長けていてネット社会に親近感があり、60年生まれの方がネットの利便性は認めつつもネガティブな側面を警戒している、という感じになる。ところが、梅田氏と平野氏だと、これがまったく真逆になってしまっているからだろう。

梅田氏は、「ウェブ進化論」を書き、自ら「ネットに住んでいる」とまでいっているほどネットに長けている。おそらく20代、30代の人間でも彼よりネットを使いこなし、ネットに親近感を持っている人はそうはいないだろうと思う。一方平野氏は、75年生まれでネット音痴ではないものの、「作家」という職業柄、著作権に関して保守的にならざるを得ない立場にあり、ネットのネガティブな側面に関して同世代の人より警戒感が強い。

結果としてこの対談集は、平野氏がいだくネットに対する警戒感を梅田氏がやわらげる、といった展開が続くが。それが、私にとってはなんともおもしろみがなく、読んでて苦痛であったwww。これなら、平野氏ではなく、梅田氏と同年代かそれ以上の人間との討論集にすれば、まだわかりやすかったのかも。あるいは平野氏ではなく、もっと若い、20代前半以下やケータイ小説家なんかとの対談の方がよかったかもしれない。

なんとか最後まで読んだが、正直、内容は読み返さないと記憶に残っていない。そもそも、第3章のタイトルが「本、iPod、グーグル、そしてユーチューブ」となっているのが、なんだか梅田氏の土俵だけでハナシが進んでいて面白くない。個人的には「ケータイ小説、LISMO、モバゲータウン、そしてHDR」なんかでハナシが進むと面白かったんだけど、梅田氏にはそっち方面の引き出しはないのだろう。

そもそも小説家との対談だから、「ケータイ小説」あるいは「電車男」など、新しいタイプの小説(?)の話題を聞きたかったし、もっとあっていい筈なのだが、ケータイ小説のハナシは梅田氏の「携帯電話に関しては、私は旧世代でよくわかりません」(私による要約)であっけなくハナシが終わってしまっている。

要するに梅田氏にとっての「ウェブ」には、携帯電話やニンテンドーDSやHDR(つまり、いわゆる「ホームネットワーク」)は含まれていない。あくまで外部サーバを通じた「ネットのあちら側」で展開される、オープンな情報ネットワークを「ウェブの進化」と呼び、それを使いこなせさえすれば「ウェブ人間」だと主張しているようだ。

「ほんとにそれだけでいいのか?」
それが私の感想だ。今、求められている人材は、「本、iPod、グーグル、そしてユーチューブ」のハナシができるウェブ人間よりも、「ケータイ小説、LISMO、モバゲータウン、そしてHDR」のハナシができるウェブ人間だと、私は思うのだが。