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「モバゲータウンがすごい理由」読了

「モバゲータウンがすごい理由 ~オジサンにはわからない、ケータイ・コンテンツ成功の秘けつ~ (新書) 」を読了。サブタイトルが長いな。しかもオジサンにかなり挑発的たタイトル。中身の内容はそれほどオジサンを小馬鹿にしたものじゃありませんが。

と、読了した矢先、こんな力作記事も発見。

モバゲー潜入。『25歳以上♂禁止』とかにへこむ28歳。モバゲーのゲームはおまけだったのか。*ホームページを作る人のネタ帳

まあ既に、モバゲーについては私も既に「セカンドライフとモバゲータウンのハイパーリアル化について」で書いてしまったわけであるが、これらの記事や本を読んだ後も、この最初の私の記事の結論と大差ない。むしろ、強固に感じた。

「モバゲー」というと、メディアが、携帯電話であるため、どうしてもその比較対象として「PCでのインターネット」が挙げられがちである。もちろん、その比較対象はまんざら間違ってないのだが、あまりにそのこと=「携帯電話であること」だけにとらわれると、本質を見失う。携帯電話のコンテンツ業者がどこも儲かっているわけでなく、なぜ「モバゲー」だけが圧倒的に勝っているのかというのをじっくり考えなければならない。

もう、その答えは、私の過去記事でも、文庫本「モバゲータウンがすごい理由」でも、先ほどの「モバゲー潜入。『25歳以上♂禁止』とかにへこむ28歳。」記事でも明らかなのだが。

友達紹介の意味はわかると思いますが、スポンサーサイトに登録というのがモバゲーの肝だろう。

例えば、『ゲーム』というカテゴリ内に、牧場物語モバイルというアプリゲームがあるのですが、これをはじめるためのユーザー登録をすれば320モバGあげるよ、というもの。

そのほか、出会い系サイトの会員登録や、音楽サイトの会員登録など、様々ある。
今流行の小説サイトなんかも、モバゲータウンを通して登録することで、モバゴールドがもらえる仕組みとなっている。
モバゴールドの流通

よく見ると、モバゲータウンは一切お金を支払うことなく巨大化していっているのがわかる。

私の過去記事でも書いたが、ここがモバゲーの一番肝であり、しかも、実はここが一番「オジサンにはわからない」部分であろうと思う。「携帯電話だから」わかりにくいのではなく、「モバゲータウンは一切お金を支払うことなく巨大化していっている」仕組みが、悲しいかな、サラリーマン生活にどっぷりとつかってしまうとわからなくなってしまうのだと思う。

普通は、商品の広告宣伝というと、予算を組み、どの媒体にいくらお金を掛けるか配分し、広告代理店や制作会社に外注し、プロモーションを展開していく。ところがモバゲーは、違う。モバゲーもTVCMなどを行っているが、それは実は販促のメインストリームではない。

モバゲータウンの肝は「サイト内通貨(モバG)を使ってユーザーに仮想労働させる」ことである。実際の「円」を広告代理店や制作会社に払ってCMやチラシを作って広告販売促進するのではなく、サイトのユーザーに「仮想労働(=友達紹介や、バナー広告踏んでもらう等)」をしてもらい、その対価としてモバGを払う。ユーザーはモバGを通じて初めてアバターを買いそろえたりできる。広告販売促進を「ユーザーにさせている」ことが肝なのだと思う。

実はこの仕組みが「凄い」ということが、なかなか「オジサン」には理解しがたいのだと思う。なぜなら、サラリーマン生活にどっぷりつかってしまった「オジサン」には、「カネがどれだけ動くのか」が「凄いか凄くないか」の価値基準になってしまうからだ。そりゃそうだ、営業マンにしても制作担当にしても、「どれだけの売り上げを上げたか」が給与評価の価値基準になるわけで。会社をみてもそう、「去年より今年の売り上げを増やせるか」が大きな課題となる。そういう目で見ていると、現実のお金が動いていない(ように見える)「モバゲータウンの肝」の部分が「凄い」という判断にはなりにくい。

実はこのモバゲーと真逆の事例が、私の過去記事「セカンドライフとモバゲータウンのハイパーリアル化について」にも書いた、セカンドライフだと思う。セカンドライフがオジサンにわかりやすいのは、「携帯電話でないから」「PCだから」ということではなく、「通貨(ドル)」が動く様子がわかりやすいから、である。土地を(カネ=ドルで)買い、電通など広告代理店を通じてカネで宣伝し人を集める。まったく現実を仮想化しただけだから、非常に仕組みがわかりやすい。

しかし、現実を仮想化しただけのものというのは、所詮仮想でしかない。現に同じ携帯電話コンテンツでも、モバゲー以外の「PCサイトを携帯閲覧できるようにしただけ」のものはほとんど流行していない。PCユーザーが外出先でやむなく利用しているだけだろう。

って、本のハナシから脱線し過ぎたか。「モバゲータウンがすごい理由」は、モバゲー単体のハナシは半分強くらいで、むしろ携帯電話業界の動向を広く探り、誤解されがちな部分も丁寧に説明されている良書である。「日本の携帯電話業界って、垂直統合モデルでしょ」なんて思っている人ほど、一度読んで貰いたいと思う。



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